ちらの考え方

エントロピーをビジネスの世界から理解する

投稿日:2017年6月19日 更新日:

こんにちは。ちらです。

最近は研究、TA、雑用に追われつつビジネスをえっさほいさと構築しておりました。

ブログ更新が相変わらず不定期ですが元気に生きております。

ちらは研究とビジネスの世界をうまくつなげたり、

先行きが厳しくなってきている研究活動を独立して行うことを目的に日々活動しています。

ビジネスを始めて早1年が過ぎました。

最初は研究や物理はビジネスとは無関係で役に立たないだろうと思っていました。

ところが、研究活動を通して養った物理的な考え方や知見は個人事業を行う上でも大変役立っています。

大学は不要だという意見も出てきている昨今ですが、個人的には大学に行って学びを深めることで、

「自分なりのものの見方、色眼鏡」

が研ぎ澄まされていくように思います。

 

ちらの場合は物理学を通して様々な物事を捉えようとします。

対象が研究や科学でなくてもです。ちらはビジネスを行う上でも物理や研究で培った知見を活かして考えるよう努めています。

そうは言っても、「ビジネスと物理」・・・

全然関係ないよね・・・?

そう思う人もいるかもしれないですね。

ですが、そんなことはありません。

今回は物理学から得られる知見をビジネスに適応する試みを一つシェアしてみようと思います^^

題材にするのは、物理の中でもわかるようでよくわからない、エントロピーです。

 

 

エントロピーってなあに?

はい、今日の話題はエントロピーです。

「エントロピーってなあに?」

こう問いかけると大抵の人が頭に浮かぶキーワードはこれではないでしょうか・・・?

「乱雑さ」

うん・・・乱雑さ・・・

 

うん・・・汗

 

・・・('ω')

 

 

よくわからないですよね?

そう、エントロピーと言えば乱雑さ。

グーグル先生にエントロピーと聞いてみましょう。

 

混沌性、不規則性、乱雑さなどなど・・・

なんだかよくわからない用語で説明されていますね。

エントロピーとは何なのか。あえて先に数式的なエントロピーの定義を一度記載しておきます。

理解できなくてもひとまずOKです。

次の大きな太字のところまで安心して流し読みしてください笑

 

統計力学的にはエントロピーS=klogzと表記されます(kはボルツマン定数、zは状態数)。

熱力学の定義ではエントロピーdS=∲δQ/T(Qは熱量、Tは温度)。

 

ヘルムホルツの自由エネルギーを利用すると、エントロピーS=(U-F)/T

ここで、Uは全エネルギー、Fはあなたが自由に使えるエネルギー、Tは温度です。

Fはあなたが最大仕事として取り出しうるエネルギーを意味しています。

エントロピーは乱雑さであると理解するよりも、

・我々が自由に使えなくなったエネルギーがエントロピー

・温度が高いほど分子を制御しにくくなり、我々が自由に扱えるエネルギーが減少する

ようするにエントロピーが増大するってのは僕達が自由に活用できないエネルギーが増えることを意味しています。

こんな感じで理解する方がイメージも付きやすく良いと思います。

 

とまあ、この式と説明だと物理系以外の人にはさっぱりですよね・・・^^;

大半の人はこう思ったことでしょう。

うーん・・・やっぱりよくわからない・・・

では、これをビジネス的な世界に適応させて、その感覚を掴んでみることにしましょう。

まずは、今回エントロピーの概念を適用するためのビジネス知識をさらっと説明します。

 

顧客リスト、精読率とは? ビジネスを行う上での超重要事項

顧客リスト、精読率という二つの言葉を理解していきましょう。

まず、顧客リストとは、その名の通り、お客さんの名簿のことです。

有名な経営者のアンドリューカーネギーさんは言いました。

「私の全ての財産を持っていってもかまわない。ただし、顧客リストだけは残しておいてくれ。

そうすれば、私はすぐに今の財産を築いてみせる」

大富豪が持つ全財産よりも大切・・・( ゚Д゚)

それが顧客リストなんです!

なぜ顧客リストがそれほど大事かというと、

自分が連絡をとってセールスすることが可能な相手の名簿だからです。

何か商品を売るためにはお客さんがいないと売れないですよね。

ビジネスを行う上では顧客リストはとても大切なのです。

 

ビジネスでものを売る経営者さんたちは顧客リストを持っているわけですが、

顧客リストの人たちに新商品のお知らせを伝えるお手紙を出すことにしましょう。

1週間前に自分の商品を買ってくれた人から、一年前に自分の商品を買ってくれた人まで。

まずは、挨拶。そして、自分が新しい商品を出したのでそのご紹介をすることにしましょう。

 

おススメ新商品とその紹介文をあなたの持つ顧客リストに出したとします。

すると、お客さんから反応が返ってくるのは

最近自分の商品を買った人、

頻繁に連絡を取り合った人、

自分のファンになってくれているような人

このあたりになります。

以前はよく商品を買ってくれたお客さんも、一年も経つと反応がほぼなかったりします。

古いお客さんはお手紙をそもそも読んでないかもしれないですね。

一年も経過し、何の音沙汰もなければもう興味も失われているのかもしれません。

お客さんに何かお手紙を出して、そのお手紙を読んでもらえた割合を精読率といいます。

 

一般的に、昔のお客さんほど精読率は悪く、お手紙への反応は薄くなります。

このことはビジネス業界で、リストは時と共に腐敗すると言われます。

ちらはこれをこう読み替えます。エントロピーは時と共に増大する

 

ん・・・?

顧客リストとエントロピーがどう関係しているんですか?

と思った人もいるかもしれません。

ここから書いていることはあくまでものの見方であり、

ビジネスを通して物理を理解すること、

物理を通してビジネスを理解することへの試みです。

数学的表現や意味づけなどやや不満が残る部分もあるかと思いますが、個人的にはわかりやすいかなと思っています。

では、説明を続けます。

 

リストの腐敗度=エントロピーという考え方

ここからは物理とビジネスを繋げていきます。

対比構造にして記述していくので注意して読んでみてください。

 

”顧客リスト”は時と共に腐り、お客さんの”精読率”を下げていきます。

”エントロピー”は時と共に増大し、”ヘルムホルツの自由エネルギー”を下げていきます。

 

・お客さんの”精読率”の高さはセールスの成功度合いと結びつき、それは”売り上げ”として取り出しうる量を定めます。

”ヘルムホルツの自由エネルギー”の高さは我々が取り出せるエネルギーを意味しており、それは”最大仕事”として取り出しうる量を定めます。

 

温度が高くなるほど分子運動が激しくなり、分子間での衝突に伴う熱量が増大し、自由エネルギーの減少につながります。

・お客さんが他の商品やセールスを知れば知るほど、顧客の興味は分散し、精読率の低下につながります。

 

ここで、エントロピーを顧客リストと精読率を用いて定式化してみます。

エントロピーS=(U-F)/T

ここで、Uは全エネルギー、Fはあなたが自由に使えるエネルギー、Tは温度でしたね。

これをビジネス的に、意訳すると、
S リストの腐敗度
U 顧客の全エネルギー(ここではお客さんが文章を読んだり、行動したりするための全体力のようなもの)
F 我々が利用できる顧客のエネルギー(精読率、もしくはそこに起因する売り上げの総量)
T 顧客の自由度(温度が高いほど分子は激しく運動する←顧客の興味は分散していることに対応)

このような読み替えを行うことができないでしょうか?

ヘルムホルツの自由エネルギーと結びつく最大仕事は、すなわち顧客から取り出せる売り上げとなります。

 

時と共にエントロピーが増大し、我々が自由に取り扱える質の良いエネルギーは減少していく。

これは、

時と共に顧客リストが腐敗し、我々が得られる売り上げが減少していく。

こういった対比構造でエントロピーを理解し、また、顧客リストの性質を理解することが可能ではないでしょうか?

 

さて、こう考えると、セールスを行う前になぜ人々は無料お試しサービスや無料相談を提供するのかも理解できます。

無料で価値を提供することを通して、お客さんに負のエントロピーを食わせているのです。

負のエントロピーを顧客に食わせることで、精読率や商品への興味を高め、後に取り出す最大仕事としての売り上げを高める効果が得られます。

だから、人々は顧客にセールスを行うまえに、価値を提供するんです。

価値提供を通して、エントロピーを下げることで、より大きな売り上げを顧客から引き出すんです。

これは無料サービスに限りません。

お客さんへのアフターフォローや、適切な商品を紹介することでも負のエントロピーをお客さんに捕食させることができます。

 

このように考えると、いきなり売り込みだけを始めても最初から買う気のあるお客さん以外には刺さらないことが理解できます。

これだけものがあふれた現代社会では、お客さんはまずあなたの商品に基本的に興味を持っていません。

すなわち、現代社会における顧客は基本的にエントロピーが最初から高いわけですね。

そのため、まず最初にやることは売り上げであるヘルムホルツの自由エネルギーを取り出すことではなく、

あなたの商品への興味を抱くように、エントロピーを下げ、取り出せるエネルギーを増大させねばならないのです。

このように考えると、自分でビジネスをやる上でどういう手順で行動すると良さそうかなども見えてきます。

 

もちろん、ここで定式化したことや考え方は何か厳密に証明されたものでもなんでもありません。

ただ、物理というものの見方を通して、ビジネスを理解したり、

反対に、ビジネスの用語を通すことで物理の理解を助けることができるのでは?

というちらからの一つの意見に過ぎません。

個人的には違う世界の現象を結び付けて理解できると楽しいと思ってます^^

自分の携わる分野とそうでない分野の人たちが様々なものの見方を取り入れて楽しく生きていけたらいいなあと思います。

最後に、今回、この記事を書くまでに得たビジネス、熱力学の知識を与えてくれた書籍を紹介して終わりにします^^

もっと学びを深めたい、ものの見方を鍛えたいという方はぜひどうぞ。

 

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