こんにちは。現在アメリカから記事を書いています。ちらです。
2016年11月10日、ドナルドトランプがアメリカの大統領になってしまいました。
人種差別発言や大風呂敷を広げた数々の扇動的な発言で大統領の座に着いてしまいました。
ヘイトスピーチを行うレイシストがアメリカの代表になったわけですね。
アメリカは現状世界のトップの国とも言えるので、この恐ろしき人物が世界の代表になったとも言えます。
トランプ反対派でもある、現在ちらが滞在している大学や町では、
嘆きの声や反対運動、中にはトランプを殺すといった過激な発言まで出ていました。
留学生や研究者は状況次第で真剣にアメリカを脱出するべきかも視野に入れている様子です。
J1ビザという留学生やインターンシップに使われるビザも廃止になる方向のようです。
平等、グローバル化という時代の流れに完全に逆行する形になった今回の選挙戦。
では、なぜこのような、反知性的なトランプが大統領になれたのでしょうか?
今回の記事では、ネットビジネスの闇とも絡めてちらの考えを書いていきます。
なぜトランプは大統領になれたのか? 何が原因なのか? 互いを認知できないほどの格差
これは既に様々なメディアでも言われているように、
米国内の貧富の差やチャンスの格差が起爆剤になっているでしょう。
大学に通うこともできないような、日々苦しい生活をしている低所得者層と、
大学に通い、好きに学び、高級取りになり、自分たちがエリートであると考える高所得者層。
そして、お互いの生活が剥離してしまっていること。
これらのゆがみが今回の大事件のトリガーでしょう。
実際、ちらの留学先の学生や先生方はみんなトランプが当選するとは思ってなかったようです。
また、周りにトランプ支持者は一人もいないだろうと。
ちらは現在超富裕層が暮らす街にある大学に留学しています。
優秀な学生や研究者、そして富裕層のホストファミリーが日々出会う人です。
大学に行ってない人には一人も出合いません。
生活が苦しそうな人は一人も見つかりません・・・
そう、一人もです。
でもアメリカの別地域には生活がままならないような人もたくさんいるはずです。
彼らの存在は知っていても、身近なところには存在しないんです。
これが今回の問題の根深さの根源だと思います。
どちらも自分が悪いと思っていないし、相手を理解できないんです。
世界中からアメリカに集まった移民たちが
保守派の白人よりも優秀であり、彼らから仕事を奪っていくという現実。
人々の間に生まれた埋められない格差と考えの相違・・・
「俺は悪くない。社会が悪い。社会を変えろ。勝ち組を引きずりおろせ」
ヘイトスピーチ、人種差別、反知性主義、こういった負の側面があっても
「現状を変えるためなら手段を選ばない」
そういう人々の想いが結集し、実を結んだのが今回の大事件なのでしょう。
ただ、これって日本でも結構似た状況になりうると思います(もうなっているかも)。
こんなこと書くと怒られるかもしれませんが、
ちらがこれまで付き合いを続けてきた友人で大学に行ってない人は一人もいません。
成人式などにも行ってません。行く価値を見出せなかったので。
中学位までは勉強してるといわゆる不良に邪魔されたり、面倒な出来事を多く体験しました。
高校ではハイレベルな進学校に入れたこともあり、そういう人たちとの関係は全て切ることができました。
それ以来、大学にも行けず、経済的に貧しい人は努力できないからダメなんだと本気で思って生きてきました。
大学院で研究活動を行い、自分で学費を稼ぐという状況に立たされたことをきっかけに、
始めて大学に行けない人や経済的に苦しい人と文章でやり取りする機会を得ました。
荒れがちな思春期の頃以外でそういう方々とやり取りする初めての経験でした。
本当にそのときまで気づかないことがたくさんありました。
そういう人は自分でがんばる気がない、ダメな人たちと思っていましたが、
そうでない人も大勢いました。
中には、人のせいばかりにして全然行動しない、文句ばかり言う人もいました。
ですが、苦しいなりに全力で現状を変えようとしている人が大勢います。
こういうことも、ちらは全く知らなかったわけです。
存在を知っていても、身近にそういう人がいない。
自分が実際に経済的に厳しい状況に置かれ、
大学に行く余裕がなかったり、本当に経済的に苦しい人と実際に交流するまでは、
どこか別の国のお話を聞いているような、そういう感覚でした。
これってアメリカの反トランプの人たちと同じなわけです。
トランプ支持者の考えを理解できないし、存在すらちゃんと意識できていない。
頭のおかしい奴らが何か言ってるとしか思えない。
ちらは自分でビジネスを始めたことで、色々な人の状況や意見やものの見方を知ることができました。
だからこそ、研究だけでなく、そういった苦しい状況に置かれている人にも
何か貢献したいと思い、今活動しているわけです。
トランプの手法はネットビジネス詐欺師と同じ
では、トランプを支持した人は悪いのか?
富裕層や既得権益を持った人やいわゆる高学歴エリートが正しいのか?
もちろんそんなことはありません。
両者、自分の生活を良くしたい。
そう考えて行動した結果でしょう。
トランプに踊らされる人がこれほど多いのは残念ですが、彼らが悪いは思いません。
ですが、トランプのやってることは褒められたものではありません。
このあと彼が何をするのか、また周りの人間が何をさせないように動くのか。
そういったことはもちろん重要になってくるでしょう。
今回のトランプ大統領誕生と民衆の動き、
それはネットビジネスの暗黒面と非常に似通っていると感じます。
ネットビジネスの詐欺師とその詐欺師に騙される人、
詐欺師は余裕のない、苦しい生活をする人を狙い、騙し、金を巻き上げることでのし上がる。
そしてネットビジネスは怪しい、ろくでもないことをやってる奴らだと決めつける人々。
今回のアメリカの状況と似てませんか?
トランプ=ネットビジネス詐欺師
トランプ支持者=詐欺師に騙される人
トランプ反対者=ネットビジネスを嫌悪する人や安定した収入で大企業に勤める人
こう置き換えると、
ネットビジネス業界の中と外の人の間にある埋まらない偏見や格差も
アメリカ人とトランプの関係性と共通するものがあると感じます。
トランプはネットビジネス詐欺師が用いる人心掌握術を行っています。
人々を扇動し、思考を奪い、自らの色に染め上げ、自分を押し上げるために利用する。
そのために富裕層、リベラル、マイノリティという敵を設定し、それらに打ち勝つことを共に目指す。
トランプは苦しい生活をし、藁にもすがる想いの人々の心を掌握し、今回の選挙を勝ち切ったのです。
自己のブランディングを築くためのストーリーを描く手法や人心掌握法・・・
ネットビジネスで扇動をかけ、思考を停止させ、自分の有利になるように人を動かす。
扇動テクニックそのものです。
まあ、政治家のやることなんて常にそうだと言ってしまえばそれまでですが、
今回は流石に行き過ぎだと思います。
よく考えてください。
トランプは本当に貧乏人の味方でしょうか?
同じ側の人間でしょうか?
どう考えても違います。
親が金持ちだっただけでその金を元手に不動産ビジネスに着手しただけです。
ちらの私見ですが、ホリエモンみたいなのが本当の成り上がりだと思います。
トランプも金を増やすスキルは本物だと思いますし、そこに関して疑う余地はないでしょう。
しかし、今回の選挙でやったことはネットビジネス詐欺師と何ら変わりません。
必要以上に人々を扇動し、ヘイトスピーチを駆使し、
自分しか中流所得以下の白人の気持ちはわからないのだと印象付け、
中身のあるかないかもわからない事項を並べ立てる。
そして、余裕のない思考を停止した白人はどんどんトランプに引きずり込まれていく。
今回のトランプのやり方や宣伝法、
まるでネットビジネス詐欺師の怪しいランディングページが擬人化して出てきてるようにすら見えました汗
もちろん、まだトランプの存在が詐欺と決めつけるのは時期尚早です。
これから中身のある何事かを成し遂げるのかもしれません(いい意味でも悪い意味でも)。
ですが、今回、トランプが勝つためにやったことは詐欺師の手法と同じです。
非常に上手く人心掌握を行っています。
このやり方で人々は動かされてしまう。
逆に言うと、だからこそネットビジネスの詐欺やその被害者はなくならない。
詐欺師やトランプのような怪物の言葉に流されるのではなく、
自分のスキルを上げて、力を付けて、生き抜く力を身につけることが状況を改善する近道です。
今回恐ろしいのはネットビジネスの詐欺師と同様の手法で、
リアルの世界でも天下が取れるということが明らかになったことです。
本当に、あってはならないことだと思います。
大学で黒人の学生が反トランプスピーチをし、多くの学生が恐怖していました。
イスラム人の学生が周りの目を気にして怖がりながら歩いていました。
いつも元気よくバスに乗ってくる車いすのおじいさんが意気消沈していました。
まだ若い黒人の少女がトランプを殺すと電車内で発言していました。
本当にあってはならない世界が今目の前に広がっています。
人々が理解することを止め、奪い合い、お互いを引きずりおろし合う世界ではなく、
少しでも多くの人がお互いを理解しようと努力し、成功を助け合える世界にならんことを。